不動産投資用語
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不動産の種別(ふどうさんのしゅべつ)
鑑定評価上の不動産の分類方法の一つである。 鑑定評価に当たっては、不動産の存する地域に応じた分析(地域分析)が必要であり、不動産の種別とは、不動産の用途に関して区分される不動産の分類をいい、地域の種別と土地の種別とがある。 地域の種別には、宅地地域、農地地域、林地地域等がある。 さらに、宅地地域は、住宅地域、商業地域、工業地域等に細分される。 また、土地の種別とは、地域の種別に応じて分類される土地の区分のことで、宅地、農地、林地、見込地、移行地等がある。
不動産の鑑定評価に関する法律
不動産鑑定士等が鑑定評価業務上で準拠すべき指針等の一つである。 土地等の不動産の適正な価格の形成に資するめ、不動産鑑定士等の資格および不動産鑑定業について必要な事項を規定した法律。 昭和38年に制定され、その後主務官庁の組織改編等により改正されたが、ごく最近に不動産鑑定士等の業務の拡大と不動産鑑定士試験制度が改正され、その実施は平成18年2月とされている。 不動産鑑定業者の登録、業者の業務内容、業者への国土交通大臣または都道府県知事の監督および不動産鑑定士等の資格試験、有資格者の登録制、不動産鑑定士等の責務、国土交通大臣の監督等について規定している。
不動産の鑑定評価(ふどうさんのかんていひょうか)
不動産の価格を決定する方法の一つである。 一般の商品の価格が自由なプライス・メカニズムの下で形成されるのに対し、不動産は個別性が強く、取引市場も局限されているので、自由なプライス・メカニズムが成立し難い。 不動産、特に土地の適正な価格を求めようとすれば、合理的な市場の価格形成機能に代わって不動産の適正な価格を判定する作業が必要となる。 このような意味で、不動産の鑑定評価とは合理的な市場があったならばそこで形成されるであろう正常な市場価格を表示する価格を、鑑定士等が的確に把握することを中心とする作業である。 具体的には、次の手順を合理的な判断の下に秩序立てて誠実に行うことである。 ①鑑定評価の基本的事項の確定 ②処理計画の策定 ③対象不動産の確認 ④資料の収集および整理 ⑤資料の検討および価格形成要因の分析 ⑥鑑定評価方式の適用 ⑦試算価格または試算賃料の調整 ⑧鑑定評価額の決定 ⑨鑑定評価報告書の作成。 →不動産、不動産鑑定業(者)、不動産の価格形成要因、不動産の鑑定評価に関する法律
不動産の価格形成要因(ふどうさんのかかくけいせいよういん)
鑑定評価書に必ず記載すべき事項の一つである。 不動産の持つ効用、相対的稀少性および有効需要の三者に影響をえる要因を、価格形成要因という。 不動産の価格は、多数の要因からなる相互作用の結果として形成されるものであるが、要因それ自体も常に時間の経過とともに変動する傾向を持っている。 鑑定評価を行うに当たっては、価格形成要因を市場参加者の観点から明確に把握し、かつその推移および動向並びに諸要因間の相互関係を十分に分析して、前記三者に及ぼすその影響を判定することが必要である。 通常、価格形成要因は一般的要因地域要因、個別的要因に分けられる。 一般的要因は自然的、社会的、経済的、行政的の4要因に分けられ、また地域要因は宅地、農地、林地、それぞれの用途的地域別に分けられ、さらに個別的要因は土地、建物等の分に応じて分けられる。
不動産投資インデックス
不動産投資に関する指標の一つである。 一定の期間中に投資用不動産が上げた収益を、用途、地域、等級等ごとに集計して指数化したもの。 期間中の価格の増減と賃料収入をもとに算出される。 米国では「NCREIFインデックス」、英国では「IPDインデックス」がある。 日本では、株式会社日本不動産研究所などで開発が試みられている。
不動産登記(ふどうさんとうき)
法が定める登記制度の一つである。 土地や建物の所在・面積・所有者の住所・氏名等を、公の帳簿である土地登記簿や建物登記簿に記載すること。 これにより土地や建物に関する権利が公示されることになり、取引の安全化と円滑化に寄与することになる。 また、不動産登記には所有権等の物権変動について対抗力を与える機能もある。
不動産適正取引推進機構(ふどうさんてきせいとりひきすいしんきこう)
不動産に関する財団法人の一つである。 消費者の保護と宅地建物取引業の健全な発展に寄与するために、不動産取引における紛争の未然防止と迅速・的確な処理を推進するための組織。 都道府県や事業者団体等の相談窓口では解決のつかない「特定紛争案件」の処理も行っている。
不動産信託(ふどうさんしんたく)
不動産の証券化手法の一つである。 所有者が信託銀行に不動産を信託することをいう。 一定期間後にオリジネーターの元に不動産の所有権が戻る賃貸型と、第三者に譲渡される処分型がある。 賃貸型では受託者である信託銀行が不動産の管理・運営を行い、賃料を原資に配当を行う。
不動産取得税(ふどうさんしゅとくぜい)
不動産(土地および家屋)の取得に対し、その不動産所在の都道府県がその取得者に課税する流通税の一つである。 納税義務者は、取得の原因や、その取得が有償か無償かに関係なく、不動産の所有権を現実に取得した者で、法人個人を問わない。 取得者は、都道府県条例によりその旨の申告が必要で、東京都の場合、不動産を取得した日から30日以内に申告しなければならない。
不動産事業者等の土地譲渡益分離重課
投機的な土地取引を抑制することを目的とした税制の一つである。 個人の不動産事業者等がその年の1月1日において所有期間が5年以下である土地または土地の上に存する権利を譲渡したことによる事業所得または雑所得として課税する譲渡益については、土地譲渡益だけをその他の所得と分離して重課される。 本制度は、昭和48年に法人の土地譲渡益重課とのバランスを考慮して創設されたが、土地の有効利用を促進し、土地取引の活性化を図るため平成20年末まで適用停止となっている。