差額地代(さがくちだい)
地代の考え方の一つである。
土地の豊度(肥沃度)や位置の差に基づいて生じる地代。
豊度が異なる同一面積の農地に等量の資本・労働が投下された場合,優良な農地の収穫高は劣等な農地のそれよりも多い。
他方、農産物の市場価格は最劣等地における生産費用によって決定されるから、他の農地では収益の余剰が生じ、生産要素に均等利潤率が成立すると考えると、それが差額地代になる。
また、一定の土地に次々に資本・労働を投下していく場合、土地収穫逓減の法則によって追加費用単位当たりの収穫量増分は次第に減少する。
農産物の市場価格は最終投入の生産費用によって決定されると考えられるので、その前の投下費用がもたらす収穫には余剰が生じ、それが差額地代になる。
前述の差額地代を差額地代の第一形態といい、後者を差額地代の第二形態という。
位置の差により差額地代が生じる事情は、豊度による差額地代の第一形態に準じて理解される。
宅地については、豊度に代わるものとして、位置が重要である。