絶対地代(ぜったいちだい)
地代の成立に関する考え方の一つである。
差額地代が生じない最劣等の農地であっても、土地が私有されている限り、地代を支払わなければ土地所有者は使用を許さない。
言い換えれば、耕作される最劣等地では差額地代と異なる地代が生じることになり、その地代が絶対地代と呼ばれる。
最劣等地以外の農地では、絶対地代に差額地代を加えたものが現実の地代になる。
差額地代は生産物の市場価格に基づいて生じる剰余が源泉であるから、生産物のコストとならないのに対し、絶対地代はそれ自身がコストとして生産物市場価格を決定する要因となる。
特に農業においてのみ絶対地代が成立するとするのは、農業では資本の有機的構成(労賃部分に対する資本財部分の比率)が他産業よりも低いという前提による。